コラム3:防犯設備への投資は元が取れるのか?

防犯カメラ

2023年5月に札幌市西区にある洋菓子店で何者かに店の窓ガラスが割られる事件が起きました。割られたガラスは防犯ガラスであった為、何度も窓ガラスを叩いて割ろうとしており、その音が防犯カメラにはっきりと残されていた。結局犯人は侵入を諦め、そのまま立ち去ったとみられる。
≪5/23配信 FNNプライムオンラインより≫

このように防犯カメラや防犯センサーを設置したり、窓ガラスを強化したりするなどの防犯対策をした場合、今回の事件のように被害を防いで投資分の元を取ることができるでしょうか?

答えは「イエス」であり、「ノー」でもあります。
それは泥棒などの犯罪者から被害を防ぐことが出来た場合、大きく2つのパターンがあるからです。

  • ・防犯対策が働いて泥棒の被害を防ぐ場合(直接的な被害防止)
  • ・防犯対策は働いていないが、その存在を知った泥棒が避けた場合(間接的な被害防止)

どちらの場合も被害者は被害を免れる、もしくは被害額を減少するという防犯対策の恩恵を受けることに成功しています。

今回の事件のような「直接的な被害防止」は目に見えますので効果を実感し易いものですが、万引き被害が多い店で、防犯カメラの設置後、被害額が減少したというのも目に見える効果です。 この効果が持続すれば、投資分の元を取ることにも繋がると思います。

一方、「間接的な被害防止」、いわゆる「抑止」というものは、実際には被害に遭っていませんので、目に見えない効果となり、防犯対策の設置効果が実感し難くなります。

例えば、防犯対策を実施していた自分の家以外、周辺の複数の家で窃盗被害が遭った場合、これは泥棒が自分の家を意図的に避けて犯行を行った結果だと考えられるかもしれません。

このように防犯対策を実施した場合、2つのパターンがありますので、どちらか一方のみで決めつけない方が良いでしょう。
また、防犯対策を実施するなら、防犯カメラのように単体の対策よりも複数の対策の方が効果が高いことは言うまでもありません。最近では、防犯カメラが設置されていても堂々と侵入し、盗んでいく様子がニュースでも流れておりますが、次々に複数の防犯対策が動作することで、この家(建物)の住人は防犯意識が高い、侵入するには手強い相手だ、と犯罪者(泥棒)に思わせることができ、被害を抑えることが出来ます。
泥棒は下見をすると言われておりますが、下見の段階で、外から見てわかるような防犯対策を施した場合、犯行対象から外れる可能性がより高くなります。

そのような防犯意識の高い、手強い者を相手とするよりも、無施錠の家など、もっと容易な侵入先はいくらでもありますので、泥棒がどちらを好むかは明らかではないでしょうか?

執筆者
セキュリティハウス・センター
札幌営業所 黒沢 直人
https://www.securityhouse.net/

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